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【2024/04/20 23:59 】 |
残業代請求
このブログでは、残業手当について触れている裁判例を紹介しています(つづき)。

(三)採用面接
 係長級職員は、各営業所で行う乗務員募集に応募した者の採用面接を行い、これらの者を本採用する際に採用の可・不可につき意見を述べる権限を有する。そして、その意見は尊重される。
2 係長級職員の勤務携帯(出退社時間)
 タクシーによる旅客運送を二四時間営業している被告会社は、法令により、営業時間中常に営業所に運行管理者又は運行管理代務者(すなわち、被告会社の営業所長又は係長級職員)を執務させなければならないが、この要請が満たされている限り、係長級職員の出社及び退社の時刻を乗務員と同様には厳格に規制していない。すなわち、係長級職員は、当該営業所に配置された係長級職員の人員数に応じて定められたローテーションに従い、出勤・退社するのであり、私用や傷病によりローテーションで割り当てられた勤務時間の一部又は全部を勤務できないことになっても、他の一般職員が相互に柔軟に対応することにより営業所の運行管理が図られ、賃金カットされることがない(賃金規則二九条)。
3 係長級職員の待遇(給与面)
 係長級職員は、乗務員の中から勤務成績や人柄を考慮して選抜されるのが常であるが、その際には乗務員時代の収入と遜色のない給与額が定められ、その後の昇給により、乗務員の平均よりも相当高額の固定的給与(乗務員の収入の大部分は歩合給である)の支給を受ける。係長級職員の退職金の額は乗務員時代から通算して算出されるが、乗務員とは異なり職務加算金が支給される結果、係長級職員は、乗務員に比べて優遇された退職金を受給するのである。すなわち、原告ら係長級職員は、被告会社内で、監督管理者にふさわしいように厚遇されている。
4 係長級職員の非組合員性
 係長給職員は、被告会社に存在する唯一の労働組合である彌榮自動車労働組合と被告会社との間の労働協約により、労働組合法二条但し書一号にいう「監督的地位にある労働者」に該当する者として右組合への加入が認められていない。
四 抗弁に対する認否
1 抗弁1の事実については、原告らが被告会社主張のような業務を担当していたこと自体は認める。しかしながら、係長級職員は、各営業所の所長や副所長の指示に従って動く最末端の職制に過ぎず、乗務員に対する監督や乗務員の採用について独自の裁量権・決定権を有するものではない。また、係長級職員が日常の運行管理・労務管理の一旦(ママ)を担っているとしても、労働組合との団体交渉に出席することはないし、会社の事業方針を決定付ける営業会議にさえ殆ど出席しない。要するに、原告らのような係長級職員は、監督管理者ではない。
2 抗弁2の事実は争う。係長級職員には、出社・退社につき自由裁量はなく、営業所のローテーションに組み入れられて、勤務時間を厳格に管理されタイムカードの打刻を義務付けられていた。そもそも、係長級職員は、被告会社が定めた人員により営業所の運行管理業務を二四時間にわたり遂行する義務を課されていたものであるから、勤務のローテーションをどのように合理的に定めたとしても、係長級職員の月々の労働時間の総量も必然的に決定されるのであって、ここには係長級職員が出社・退社の時刻を相当程度自由に定める裁量の余地などないのである。もっとも、原告らのような係長級職員達自らがその裁量により被告会社における係長級職員の増員を決定できるような権限が与えられていたならば、自ら労働時間の総量を調整する余地があるのだが、営業会議にさえ殆ど出席せず会社の事業方針に何らの発言権も持たない係長級職員としては、被告会社の決定した人員で二四時間の運行管理業務に就かざるをえないのである。そして、係長級職員の労働時間の総量は、原告ら主張のように極めて多大かつ過酷なものになっていたのである。被告会社が係長級職員に対し、時間外労働(残業)に対する割増賃金(残業代)の支払いなしに、このような多大かつ過酷な労働の強制を行うことができる理由などありえない。


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【2011/03/03 02:32 】 | 残業代請求
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