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【2024/04/25 21:14 】 |
残業代請求
当ブログでは、残業手当についての裁判例を紹介しています(つづき)。

3 抗弁3は争う。乗務員の仕事内容、勤務時間及び収入と係長級職員の仕事内容、勤務時間及び収入とを比較した場合、原告らに支給されていた給与が、いわゆるヒラの従業員たる乗務員に支給されていた給与に比較して厚遇されているとの点は争う。
4 抗弁4の事実は認める。但し、この事実が労働基準法上の「監督管理者」の解釈に直接的な影響を与えるものではない。労働組合法は組合活動の自主性・独立性を保護しようとするものであり、労働基準法は個々の労働者の保護を意図する立法だからである。
第三 証拠
 本件記録中の書証目録及び証人等目録記載の通りであるからこれを引用する(略)。

第一 原告らの監督管理者性について
一 請求原因1ないし4の事実関係についてはいずれも当事者間に争いがないので、まず、本訴請求にかかる割増賃金(残業代)が発生したとする昭和六一年三月二一日から同六三年二月二〇日までの間の原告らの地位(原告近藤については昭和六二年五月まで被告会社西五条営業センター、同年六月以後山科営業センターの各係長補佐であり、原告谷口については右期間中山科営業センターの係長)が、労働基準法四一条二号にいう監督管理者ということができるか否かにつき検討する。
二 さて、労働基準法は、雇用契約の内容につき私的自治の原則を制限し、労働条件に関する最低基準を強行法規として定め、その遵守を確保することにより労働者の保護を図ろうとするものである。そして、使用者が労働基準法所定の労働時間の枠を超えて労働させる場合に、同法所定の計算方法により超過労働時間毎に算出された割増賃金(残業代)を支払う義務を負うとされるのも、所定内労働に対する賃金と所定外労働に対する賃金を峻別したうえで、賃金負担増加の事実を明確にすることにより、使用者をして所定の労働時間を遵守させ、過重な長時間労働を抑制する趣旨である。ところで、労働基準法四一条二号が、労働者のうち監督管理者をもって、労働時間や休日に関する強行法規の適用除外としているのは、何もそれら労働者が労働基準法上の保護に値しないという趣旨では勿論なく、必然的に何人かの労働者を使用して経営や労務管理を行わなくては適正な事業運営ができない使用者(経営者)の都合にも法が配慮している結果である。すなわち、経営者と一体となって経営や労務管理に携わる者(法の予定している「監督管理者」)は、その職務の性質上、適宜必要に応じ、法の定める硬直な労働時間等に関する規定の枠を超えて働くことが要請されているので、日々算出された所定外労働時間毎の割増賃金(残業代)を受給することが現実的・実際的ではない、という経営者側の都合に法が配慮しているのである。
 しかしながら、これら監督管理者が労働基準法による保護の対象から外されている実質的理由は、これら監督管理者は、
(一) 企業体の中で重要な地位を占め、自分自身の職務の遂行方法につき相当程度の裁量権を有していて、勤務時間などについても厳格な規制を受けず、(二) しかも、職務の重要性に応じてそれに見合う高額の給与を受けているはずであるから、敢えて労働基準法による保護の対象としなくても、保護に欠けることがないという点である。
 そうであるとすれば、原告らのような被告会社の係長級職員が、はたして監督管理者に該当するか否かは、労働基準法の硬直な強行法規の適用が実際的ではないという経営者側の事情もさることながら、これら係長級職員に労働基準法の保護をしなくても保護に欠けることがないような右(一)、(二)説示の要件が認められるか否かにかかっているというべきである。
 さて、本件においては、係長級職員が抗弁1(一)ないし(三)のような職務を担当していること自体は争いがないところ、従業員の大部分(約八八パーセント)を占めるタクシー乗務員につき、臨機応変に二四時間の運行管理と労務管理を行わなければならない被告会社として、係長級職員をもって監督管理者として扱うことが実際的であるという経営上の都合それ自体については理解可能である。しかも、本件においては、被告会社において広汎な従業員に形式的な肩書だけ授与して労働基準法の規制を潜脱しようという意図も認められないから、当裁判所としては、右(一)、(二)に説示の要件さえ充たされておれば、係長級職員を監督管理者と認定することに吝かではない。そこで、以下においては、そのような要件の有無につき検討する。


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【2011/03/06 02:33 】 | 残業代請求
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